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鹿児島大学附属図書館 北山信一
第21回図書館総合展 2019年11月13日(水)10:00-11:30 第6会場
-日本と世界の図書館システムを考える-
業務内容 対応する情報システム
選書(&発注) 選書・発注システム
受入 / 目録 / 予算 / 資産
利用者管理、貸出 / ILL
蔵書検索システム OPAC(通常はパッケージに含む)
電子リソース管理業務 ERMS(*鹿児島大学では未導入)
EJ、DB の検索/提供
リンクリスト、リンクリゾルバ、ディスカ
バリーサービス
論文(紀要、学位、雑誌) 機関リポジトリ
古典籍その他コレクション デジタルアーカイブシステム
図書館ホームページ CMS(コンテンツ管理システム)
業務システムパッケージ(ILS)
実は線引きが難しい。
基本パッケージ(ILS)だけでは、
図書館の情報サービスは成り立た
ない。
運用時期 システム構成
~2009年2月末
「業務システム&+OPAC+MyLibrary」
+リポジトリサーバ
+業務用パソコン(クラサバ型、専用アプリ)
+利用者用蔵書検索パソコン
+DDSサーバ
(+リンクリゾルバ:電子ジャーナルとして)
~2013年2月末
「業務システム&+OPAC+MyLibrary+ディスカバ
リーサービス」
+リポトジリサーバ
+業務用パソコン(クラサバ型、専用アプリ)
(+リンクリゾルバ:電子ジャーナルとして)
2017年~ 「業務システム(WEB版)&+OPAC+MyLibrary+
ディスカバリーサービス+リンクリゾルバ」 →うち
業務システム部分は「学外Cloud」に移行(SINET5, L2
vpnで仮想学内LAN構築)
95,207/238,296
=40%
135,609/265,009
=51%
178,122/253,086
=70%
2000年初頭からGoogle,Amazonが日
本上陸し、デジタルネイティブユーザ
が増え、図書館が扱うサービスやコン
テンツにも変化が生じてきている
しかし図書館システムの基本的な機能
は大きく変わっていない。
業務項目 処理方法
契約条件の確認 JUSTICEのサイトで提案書を入手・確認。
購読タイトル選定
新規、継続、中止するタイトルを選定してリスト化
予算調整
経費(共通経費、利用率に基づく部局負担等)を算
出し財務部へ予算確保の連絡
Agreement 図書館長名義でAgreement締結
契約データ作成
購読する契約タイトル管理のため、図書館システム
上に契約データを作成する。
発注処理
版元担当者へメールで発注。政府調達案件の場合は、
図書館で必要な書類をまとめた後、経理課へ契約事
務を引き継ぐ
支払い処理 財務システムを用いて行う
業務項目 処理方法
アクティベーション
代理店へ依頼。又は電子ジャーナル提供サイトへ管
理者権限でアクセスし、利用登録処理
アクセス確認 サイトへアクセスしアクセス確認
ユーザサービスへの
反映
Summon、360LINKの管理画面から設定。
別途、図書館HPへ接続・利用方法に関する事項と
利用可能なタイトルリスト(Excel)を掲載
利用統計取得
版元サイトの管理用ページ等から取得。又は版元か
らメールで提供を受ける
費用対効果の算出/
評価資料
利用統計データを元にタイトル毎のアクセス単価算
出する等して資料作成する。
 「資料費の7割以上」を占める電子的コンテンツ
管理業務に図書館業務システムはほとんど使われ
ていない。
ILSは資料が「紙」であることを前提
に設計されている。
図書館職員も「紙」の資料と同じ業務
フローにあてはめて業務を行う。
あてはめられないものは、Excel等。
現場では「今の業務が安定して稼働す
ることが最も重要」という声が根強い。
電子コンテンツの契約担当は1-2名だが、
それ以外の「現場」も数多く存在する。
最大多数の最大幸福?
リース期間中に発生する予算、学生管
理に関する状況変化
仕様変更や軽微な改修はかなり多い
要求要件の記載だけでは割り切れない
ものが多く存在
ベンダのコミュニケーション能力、誠
実さ
単なる「業者と顧客」ではない
よりよい図書館サービスについ
て知恵を出し合うパートナー
予算は減少傾向
新たな予算獲得は難しい
情報サービスについては、技術の
進歩に即した質の維持(=向上)
を求められる
ワークフローの分析、リソー
ス配置の最適化、システムの再
評価等は喫緊の課題。
費用の維持と機能の進化。
実情に即した電子コンテンツ管理
業務を実装してほしい。
新しい図書館システムソリュー
ションの提案を。

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日本と世界の図書館システムを考える_ILSの現状と課題

Editor's Notes

  1. ・ILSを導入、運用している大学の例として、本学・鹿児島大学の図書館業務システムの構成、運用事例について報告
  2. テーマとなっている「ILS(統合型図書館システム=図書館業務システムパッケージ)」は、厳密には、中カッコの部分を言うが、図書館で情報化されているものとそれを管理しているシステムは何かという視点で図書館システムを概観すると、ILSだけでは足りていないことがわかる。意外に図書館システムのパッケージ以外で管理しているものが多い。 図書館ホームページも利用者サービスのひとつという観点から、広い意味での図書館の情報システムに含むと考える人もいるかもしれない。 入退館ゲートシステム等もILSの利用者情報をマスターとして稼働させているので、広い意味ではこれもシステムに含むと考えることもできる。 その他、レファレンス業務の一環として行われているNDLのデジタル化送信サービスで使用するPC類や、OPAC検索PC等々、ILSから少し外れるが利用者サービスのためのハードウェアの管理を含める場合もある。 各図書館様の事情により他にもあるかもしれない。 *選書ツール;丸善:Knowledge Worlker、紀伊國屋書店:Platon 又は Smart Platon *EJ/DBの提供については、商用ナレッジ、リンクリスト(360Core)、リンクリゾルバ(360Link)、となり、 大学によってはさらにこれらを管理するERMSを導入する。
  3. (参考)国内ILS=  NALIS, LIMEDIO、 iLiswave、E-CatsLibrary、ネオシリウス、CARIN-i 等
  4. 鹿児島大学図書館システムの構成図。 右が現在運用中のシステム、左がその一つ前。 オレンジ枠内が政府調達(一般競争入札)で図書館情報システム一式として調達したもの  (注)JCの「県内他大学」は前システム構成からの移行を判りやすくするために書いたもので、実際には現在は鹿大は関わっていない。 *リポジトリ:Dspace2つ使って一つは機関リポジトリ、ひとつはデジタルアーカイブとしていたが、リポジトリを調達から外してJAIRO Cloudへ移行(費用は別予算を組んだ)。 *リンクリゾルバを調達に含め「学術情報の提供機能」という要求要件で調達に含めた。デジタルアーカイブは、図書館HPのリニューアルと合わせて作り直し。 図書館システムパッケージだけではやっていけないので他のものも含めて「図書館情報システム一式」として調達するが、その組み合わせについて、苦慮している。
  5. 2009年からの変遷。 構成は毎回少しずつ変更。ソフトウェアの機能を維持又は向上される一方で、ハードウェア部分は削減している。 2009年は、Mylibraryサービスを導入し、ILL依頼等をWEBから依頼できるようにした。2000年代初頭にAmazon.co.jpやgoogleの日本語版が登場。 この頃から、世の中のWEBサービスが急速に発展し、図書館のサービスの方が、世間からやや遅れ気味になっていった印象がある。 世の中の技術はどんどん発達して、ユーザが情報サービスに要求するハードルはどんどん上がる。図書館のサービスの質を落とさず対応していくためにはハードウェアを削っていくしかなかった。 この10年間に大学図書館では、電子ジャーナル予算の肥大化が起きている。 ・電子リソースの増加(2013年あたりから、電子と紙の資料費比率が逆転している) ・2018年度は、199,266/266,896 74.6%
  6. デジタルネイティブなユーザが増えるということは何を意味するか? 世の中のWEBサービスで実現され感覚的に図書館サービスでも出来そうなことは出来て当たり前、という感覚を持ったユーザが増えてくる。 電子が増加したが、システムの基本機能が変わっていないことで、何が起きているのか?→次スライドから電子資料の管理業務の事例
  7. ビッグディールの電子ジャーナル包括パッケージではなく、 冊子体+EJで購読しているケースの事例 契約としては一つのタイトルを、システムのデータ上では、冊子体分とEJ分に分けて契約管理している。 *やり方の是非について問いたいわけではなく事情があってこうしている。という話 *なお、該当画面はリバースチャージ分の支払いを分割して管理したいためにやむなくこういうことをしている。
  8. EJの支払い用データ。 電子なので、実際は「アクセス権」に対して支払っているのだが、紙の雑誌と同じように、巻号毎に受付データを作成している。 ILSには電子的コンテンツのアクセス権を統合管理(発注、支払い、予算管理等)する機能がないため、担当者は実体のない電子コンテンツが「もし紙だったら」と仮定して管理データを作成している。
  9. ここからいわゆるビッグディールといわれる電子ジャーナルパッケージの包括契約の場合の業務のフロー 電子ジャーナルの選定からユーザサービスへの反映に至るまでの業務のフローがどうなっているかの一覧
  10. 電子コンテンツに関する予算は、図書館資料費の7割を超える ・2018年度は、199,266/266,896 74.6% *勿論、残りの3割が、図書館サービスの中で重要性が低いという意味ではない。
  11. システムがベース→必要なデータをExcel形式で抽出、ではなく、Excelがベースとなり、システムには無理矢理データを作成している。 *電子資料の管理は図書館においてもっともコスト(予算、人的コスト)のかかっている業務でありながら業務システムで管理できていない。
  12. 現行システムに不満があるのか?→実は(ほとんどの図書館職員は)そうでもない システム更新の度に図書館職員の意見を聞くが、「安定して動いているものを何故変更する必要があるのか?という話にはなる。 システムに手をいれて全員が苦労を分かち合う結果になるよりは、「電子コンテンツ契約担当ひとりが苦労するが、他の図書館職員は何も苦労しない」というのであればそちらの方がいい、という判断も成立しないわけではない。
  13. 仕様書に記載できないのが保守契約書には明記できない保守や業務支援の対応の仕方。 学内他部署の状況変化=組織改編、予算コード体系の変更、新しい身分の学生、研究者の新設等。
  14. こういった「ベンダとの人間関係」も含めた上で、鹿児島大学では「総合的に現在の図書館システムに不満はない(又は言えない)」という評価をしている。
  15. 一方で、このままでは「現状」を維持することが困難になっていく兆候がみられる。
  16. 「図書館システムの機能」にはユーザサービスの面とバックヤードの管理面の機能があり、どちらも「要求される質」は時代の移り変わりによって変動する。 目覚ましい向上までは望まないが、「時代に合わせた進化」は必要