Opendata system SHIRASAGI

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オープンデータの現状と
シラサギ導入事例
2019/3/14
株式会社ウェブチップス
代表取締役
野原 直一

2. 自己紹介
野原 直一（のはら なおかず）
• 株式会社ウェブチップス代表取締役
• （一社）徳島県情報産業協会 理事
• とくしまOSS 普及協議会 発起人
• Code for Tokushima 発起人
2
https://www.facebook.com/naoka
zu.nohara

3. 会社紹介
3
会社名
設立
資本金
所在地
役員
株式会社ウェブチップス
2013年9月20日
1,000万円
〒770-0865 徳島県徳島市南末広町4番53号 エコービル4階
代表取締役社長CEO 野原 直一
技術担当取締役CTO 谷沢 和寿
10名（役員含む）
オープンソースソフトウェア開発事業
オープンソースソフトウェアを使った導入・カスタマイズ事業
オープンソースソフトウェアのサポート事業
オープンソースソフトウェアを使ったクラウドサービス事業
社員数
事業内容

4. オープンデータとは
4

5. オープンデータの定義
5
Open Definition（http://opendefinition.org/）の定義
オープンデータとは、自由に使えて再利用もでき、かつ誰でも再配布
できるようなデータのことだ。従うべき決まりは、せいぜい「作者の
クレジットを残す」あるいは「同じ条件で配布する」程度である。
・利用できる、そしてアクセスできる
・再利用と再配布ができる
・誰でも使える
出典：OPEN DATA HANDBOOK

6. 5 Starデータモデル
6
利用、再利用、再配布が行い
やすい順に5段階の区分を示し
ています。

7. オープンデータの歴史１
7
2011年3月 東日本大震災を契機に機運が高まる
2012年7月 IT総合戦略本部が「電子行政オープンデータ戦略」を策定
・オープンデータの基本原則（積極的な公共データの公開、機械判読可能な
データ形式、営利目的を含む二次利用の促進等）
・政府が取組を推進し、独立行政法人、地方公共団体、公益企業等の取組に
波及させる
・推進体制として官民による実務者会議の設置
2013年6月 IT総合戦略本部は「電子行政オープンデータ推進のためのロード
マップ」を定めた。
各府省情報化統括責任者（ＣＩＯ）連絡会議は「二次利用の促進
のための府省のデータ公開に関する基本的考え方（ガイドライン）」
を決定し、政府ウェブページにおける著作権の扱いの考え方を定め
た。
出典：Wikipedia

8. オープンデータの歴史２
8
2013年6月 G8オープンデータ憲章合意
2013年12月 政府データカログサイト「data.go.jp」試行版が公開
2014年6月 政府標準利用規約（第1.0版）
2015年12月 政府標準利用規約（第2.0版）
※クリエイティブ・コモンズ 表示 4.0 国際と互換性あり
2016年5月 高度情報通信ネットワーク社会推進戦略本部は「オープンデータ2.0」
を定めた。
・オープンデータにおける強化分野（集中取組期間、対象分野）の指定を行い、
オープンデータサイクルを推進
・民間企業等による、協調領域な領域におけるオープンデータ公開の協力依頼
・地域をまたいだ共通分野の取り組みと、地域特性に応じた取り組みの促進
2016年12月 「官民データ連携推進基本法」制定
出典：Wikipedia

9. 価値の高いデータ
9
出典：東富彦「G8で合意した公開すべき『価値の高いデータ』
http://okfn.jp/tag/high-value-data/

10. ライセンス
10
出典：https://creativecommons.jp/
著作権
クリエイティブ・コモンズ・ライセンス

11. オープンデータの現状
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12. 地方公共団体の取組促進状況
12
出典：https://www.kantei.go.jp/jp/singi/it2/senmon_bunka/data_ryutsuseibi/
opendata_wg_dai5/siryou3.pdf

13. オープンデータ研修ポータル
13
出典：https://www.opendata-training.org/
地方公共団体のオープンデータ
の推進を支援するため、「オー
プンデータ研修ポータル」が公
開されました。

14. 推奨データセット
14
出典：https://www.kantei.go.jp/jp/singi/it2/senmon_bunka/data_ryutsuseibi/
jititai_swg_dai4/siryou4-3.pdf
都道府県コード又は
市区町村コード
NO
都道府県名
市区町村名
データ名称
データ概要
データ形式
分類
更新頻度
URL
API対応有無
ライセンス
登録日
最終更新日
備考

15. オープンデータ100
15
出典：https://cio.go.jp/opendata100
「オープンデータ100」とは、情報通信
技術(IT)総合戦略室がオープンデータの
普及・啓発を目的として、いろいろな事
業者や地方公共団体等によるオープン
データの利活用事例を公開していく取組
みです。

16. 無償データプラットフォーム
16
出典：https://www.tellusxdp.com/ja/
Tellus（テルース）は、
政府衛星データを利用
した日本初のオープン＆
フリーな衛星データプ
ラットフォームです。
他にも、RESAS「地域経
済分析システム」、e-
Stat（政府統計の総合
窓口）、欧州の地球観
測プログラム「コペル
ニクス（Copernicus）」
などがあります。

17. 業種などに特化したプラットフォーム
17
出典：https://wagri.net/
ＷＡＧＲＩ（ワグリ）
（一財）アグリオープンイノ
ベーション機構と慶應義塾大
学が加入する農業データ連携
基盤協議会が提供する農業向
けAPIサービス。
他にもAEDオープンデータプ
ラットフォームなどがあり
ます。

18. IODD（International Open Data Day）
18
出典：http://opendataday.org/
2019年3月2日（土）開催
全世界 321か所
国内 57か所

19. オープンデータの現状まとめ
19
・国、地方公共団体、民間から次々とデータが公開されている。
・公開しているデータから、アプリ、サービスを作ることはできるが、必要性
という観点から、理由付けとしてはまだまだ難しい。アイデアソン、ハッカ
ソンなどでの利用が主となる。ビジネス利用はまだ一部のみ。
・一方で、ビックデータ、IoTの促進により、動機付けによってほしいデータを
低コストで作成、提供できるようになってきた。今後は、ビジネスモデルから
必要なデータを自らが作る、協業して作ってもらう、といった流れが加速する
と考えられる。
・地域の課題を解決するアイデアソン、ハッカソンの開催と、その際に生まれた
アイデア、アプリ、言葉のやりとりを保管し、地域の枠を超えて共有し、解決
方法さえも日本国内から集うことが望まれるのではないでしょうか。

20. オープンデータのビジネス利用
20出典：http://www.vled.or.jp/results/opendata_business_usecases.pdf
Zaim「わたしの給付金」
住んでいる地域や家族構成、家計簿
の記録から「あなたがもらえる可能
性がある給付金や手当・控除」を教
えてくれるサービス。
ナビタイムジャパン
各種サービスで各自治体の避難所情
報を取得し検索することができる。
これらは付加価値型で、他に新価値
創造型、プラットフォーム型がある。

21. 課題をオープンにすることで解決に近づく
215374.jp
札幌保育園マップ
日本全国いろんな地域でいろ
んな課題が発生している。
自分の地域の課題を全て自分
の地域だけで解決しようとせ
ずに、インターネットで似た
ような課題を持っているとこ
ろ、既に似たような課題を解
決に向けてアプローチしてい
るところを探し、つながるこ
とで、解決に近づくこともあ
る。
徳島県では左の２つのアプリ
を使わせてもらい、データの
み新規に作成した。

22. シラサギについて
22

23. 「シラサギ」という名称の由来
23
サギ科の鳥のうち、全身の羽毛が白いものを「白鷺（しらさぎ）」
と呼びます。
徳島県では、1965年10月から「シラサギ」を県の鳥に指定していま
す。
サギ類は、他の種類のサギたちと一緒に「鷺山（さぎやま）」とい
う巣を作り、繁殖するという特徴があります。
その様子が、様々な企業と技術者でコミュニティを形成し、ソフト
ウェアを開発して（育てて）いくというコンセプトと一致したため
この名称を採用しました。
「シラサギ」は、みんなで育てるオープンソースソフトウェア
です。

24. MITライセンス
24
誰もが利用しやすいライセンスで公開しています。
・誰でも自由にカスタマイズできます。
・誰でも自由にフォークできます。
・拡張機能を公開するかどうかを自由に選べます。

25. Webアプリ開発プラットフォーム
25
コアの設計は汎用SNSになっており、Webアプリ開発プラットフォームとして
利用できます。現在、CMS、グループウェア、Webメールなどのアプリケー
ションが利用できます。

26. GitHubによる公開開発
26
「シラサギ」は、GitHub上で公開開発を行っており、全国の中小ベンダーが開発に
参加しています。様々な会社が機能開発を行いますので、その恩恵をバージョン
アップで得られます。ウェブチップスはメーカーとして品質を保証しています。

27. 企業開発コミュニティ
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5社
9社
21社
21社
9社
19社
26社
27社
日本全国にいる協業ベンダーに企業開発コミュ
ニティへの参加を打診し、現時点で
39都道府県139社が参加しています。
2社

28. 導入団体
28
2014年5月19日にオープンソース公開されてからの約5年間で
にご利用になっていただいております。
130団体以上

29. 北海道内での導入団体
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■CMS
千歳市、泊村（HARP様クラウドサービス）
北斗市（協業ベンダー様クラウドサービス）
東神楽町（シラサギクラウドサービス）
芦別市（シラサギLGWAN-ASPサービス） 2019年4月公開予定
■グループウェア
北海道庁（北海道スクールネット） 約280校、約16,000ユーザ

30. シラサギの導入事例
30

31. 徳島県の導入事例
31
徳島県のオープンデータポータルサイトを「シラサギ」
で構築し、2015年4月27日に公開しました。
その際に開発した機能を汎用化し、2015年5月29日に
オープンソースとして公開しました。

32. 自治体と県民がオープンデータ化を推進する仕組みづくり
32
民間から提供するオープンデータ
自治体から提供するオープンデータ
＋
オープンデータの恩恵を感じられる
×
それらを実際に活用できるアプリ

33. ３つのサイトによる相乗効果
33
データカタログ アプリマーケット アイデアボックス
データセットを登録し、それを活用したアプリを開発し、データセットとアプリに
ついての議論をし、その結果をデータセットとアプリの改善に反映するというサ
イクルを繰り返すことにより、ボトムアップで改善されていく。

34. 開発した機能（CSV→RDF変換）
34
CSVフォーマットからRDFフォーマットに、下記の３ステップで簡単に変換すること
ができます。RDFフォーマットに変換することで、SPARQL（スパークル）というRDF
クエリ言語によってオープンデータを複雑な条件で取得できるようになります。

35. 開発した機能（語彙管理機能）
35
RDFフォーマットに変換する場合は、多くの組織が分野を超えてオープンデータを利
用することを考えて、個々の単語について表記・意味・データ構造を統一し、互い
に意味が通じるようにする必要があります。IPAが構築している「共通語彙基盤」が
それに該当します。ただ、共通語彙に登録されている単語はまだ少ないため、各地
域では独自語彙を登録し、共通語彙が充実するのを待つことになります。
シラサギでは、公開されている共通語彙をインポートする機能、独自語彙を登録し
管理する機能が実装されています。

36. 少しずつ進む共通化
36
九州では、福岡市を中心にオープンデータの共通
フォーマットの作成が少しずつ進んでいます。
語彙、フォーマットを揃えることで、★５つの
データにも変換できます。

37. 開発した機能（WebAPI）
37
オープンデータカタログサイトで最も利用されているオープンソースソフトウェア
「ＣＫＡＮ」のWebAPIと完全互換したAPIを実装しています。これにより、外部か
らデータの詳細やグループの一覧の取得などが簡単にできます。
データセット一覧の取得
データセットの詳細情報の取得

38. 開発した機能（SPARQLエンドポイント）
38
外部からSPARQL（スパークル）というRDFクエリ
言語を送ることで、オープンデータを複雑な条
件で取得できるようになります。オープンデー
タのファイルをダウンロードした場合はダウン
ロードした時点のデータを、WebAPIを利用した
場合は常に最新のデータを、SPARQLを利用した
場合は常に最新のデータ且つ複雑な条件でデー
タを取得できます。

39. 開発した機能（クローリング機能）
39
既に自治体公式サイトなどでオープンデータを公開している場合、新しくオープン
データカタログサイトを構築すると、両方のサイトを更新する必要がでてきます。
これを回避するために、クローリング機能を利用します。データカタログサイトに
登録する場合に、ファイルのアップロードではなく、公開しているファイルのURLを
登録することで、毎日一回システムが該当URLのタイムスタンプを確認し、更新され
ている場合は自動あるいは手動でファイルを取り込むことができます。これにより
職員の方はどちらか一方のみ管理すれば大丈夫です。

40. その後の導入事例１
40
三重県桑名市
Open Data KUWANA
2016年2月17日公開
宮崎県
Open Data Box
2016年2月公開
埼玉県（シラサギ＋CKAN）
Open Data Saitama
2016年4月公開

41. 鳥取県
Open Data Portal
2016年11月公開
その他の導入事例２
41
香川県
Open Data Kagawa
2018年4月公開

42. 静岡県の導入事例
42
静岡県のオープンデータポー
タルサイトを「シラサギ」で
構築し、2018年12月26日に
公開しました。
その際に開発した機能を汎用
化し、2019年2月9日にオー
プンソースとして公開しま
した。

43. 地方公共団体向けオープンデータパッケージとの連携
43
「地方公共団体向けオープンデータパッケー
ジ」は、カスタマイズをせず、いつでも新し
いパッケージへの入れ替え、CKAN自身のバー
ジョンアップなど、国が示す新しい方針に追
従できるようにします。
本提案で発生するカスタマイズは、シラサギ
側で全て吸収する。バージョン分岐をせずに、
シラサギ本体の標準機能として実装します。
これによって、今後他の団体で開発した新し
い機能がバージョンアップによって無償で手
に入ります。
また、データの登録、ソフトウェアの登録、
オープンデータに関連する記事の投稿など、
全ての作業が一元化できます。

44. 市町村ページの提供
44
市町村ごとのオープンデータペー
ジを持つことで、自分の自治体の
オープンデータカタログサイトを
更新しているつもりが、結果とし
て静岡県のオープンデータカタロ
グサイトを更新していることにな
ります。
現在公開されている県レベルの
オープンデータカタログサイト
にはない、静岡県ならではのボ
トムアップモデルを構築します。

45. タブレット・スマートフォンへの対応
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Internet Explorer、Edge、FireFox、
Google Chrome及びSafari、各ブラウザの
最新バージョンにおいてレイアウト崩れや
動作に支障なく表示します。
また、Internet Explorer 9、10など旧ブ
ラウザも考慮し、閲覧に支障がないよう構
築します。
レスポンシブWebデザインを採用すること
で、タブレット、スマートフォンなど、
様々な画面サイズのデバイスで情報が適切
に閲覧できるよう構築します。

46. 開発した機能（オープンデータと統計データの共存）
46
オープンデータを登録する
際に、統計情報か、通常の
オープンデータか、それと
もその両方かを選択できる
ようにしました。
統計情報の場合は、将来的
に国のe-Statと連携する可
能性が高いため、e-Stat分
野を設定しています。
通常のオープンデータは、
県の分野を設定しています。

47. 開発した機能（オープンデータマップ）
47
登録されているオープンデータから緯度経度が入っているオープンデータを探し、
リソースにチェックを入れることで、地図表示できます。

48. 開発した機能（一括ダウンロード）
48
データセットの全リソース
を一括でダウンロードする
機能、検索結果で表示され
ている全てのデータセット
のリソースを一括でダウン
ロードする機能を実装しま
した。

49. 開発した機能（ハーベスト）
49
ＣＫＡＮ
ＣＫＡＮ
シラサギ
ＣＫＡＮ
シラサギ
ＣＫＡＮ
ＣＫＡＮ
ハーベスト
ＣＫＡＮから
ハーベスト
ＣＫＡＮ
にプッシュ
他のCKANサイト、シラサギのオー
プンデータサイトからデータセッ
トを集めることができます。
また、集めたデータセットをCKAN
にプッシュすることや他のCKANか
らのハーベストに応えることがで
きます。

50. 開発した機能（詳細ページの改善）
50
データセットの詳細ページに、WebAPIを標準設置
しました。
詳細ページの情報を内閣府の推奨データセットに
準拠しました。

51. 開発した機能（レポート）
51
データセット詳細ページ
へのアクセス数、データ
セットのリソースのプレ
ビュー数、ダウンロード
数を日、週、月で集計で
きます。

52. 開発した機能（更新通知）
52
次回データセットの更
新日時を設定しておく
と、メールで通知して
くれます。

53. 開発した機能（一括インポート機能）
53
データセット詳細.csv フォルダ単位でリソース
が保存されたzipファイル
多数のオープンデータを一括で
インポートする機能です。

54. 青森県
青い森オープンデータカタログ
2019年3月公開
その他の導入事例３
54
愛媛県
愛媛県オープンデータカタログ
2018年3月18日公開予定

55. 北海道オープンデータ
55
静岡県で開発した機能に加えて、青森県、
愛媛県で開発した機能が汎用化されて、
３月末にリリースされる予定です。
是非、最新のシラサギのオープンデータ
機能を使ってみてください。

56. 最後に
56
オープンソースとオープンデータの共通点
・ちょっとしたボランティア精神とちょっとしたコミュニティで成り立っている。
・課題は、世界中で共有することで道が開ける可能性が高まる。
結論
オープンソースもオープンデータも、我々が無理せずちょっと
したボランティア精神で育てていく未来の可能性です。

57. ご清聴ありがとうございました。
57
シラサギは、徳島から世界に羽ばたきます。