More Related Content More from Graat(グラーツ) (10) サービスブループリント導入ガイド A Guide to Service Blueprinting Japanese Edition1. A Guide to
Service
Blueprinting
WRIT TE N BY Nick Remis and the Adaptive Path Team at Capital One
サービス
ブループリント
導⼊ガイド
⽇本語訳
A Guide to Service Blueprinting
Graat(グロース・アーキテクチャ&チームス株式会社)
2. This license allows you to remix, tweak, and build upon this work non-commercially, as long as you
credit Adaptive Path and license your new creations under identical terms.
For more information on what you can do with the content and ideas contained in this guide,
go here: creativecommons.org/licenses/by-nc/3.0/ or send a letter to Creative Commons,
444 Castro Street, Suite 900, Mountain View, CA, 94041, USA. License for Creative Commons images
used in this book: creativecommons.org/licenses/by-sa/2.0/legalcode.
Exhibit I Blueprint for a Corner Shoeshine adapted by permission of Harvard Business Review.
(Blueprint for a Corner Shoeshine) From “Designing Services that Deliver” by G. Lynn Shostack,
January 1984. Copyright © 2016 by Harvard Business Publishing; all rights reserved.
First Edition
Published November 2016
Adaptive Path
Pier 1, Bay 2
San Francisco, CA 94111
adaptivepath.org
First Edition
Published November 2016
Adaptive Path
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Exhibit I Blueprint for a Corner Shoeshine adapted by permission of Harvard Business Review.
(Blueprint for a Corner Shoeshine) From “Designing Services that Deliver” by G. Lynn Shostack, January
1984. Copyright © 2016 by Harvard Business Publishing; all rights reserved.
6. 06 09
19 39 49
イントロダクション
サービスブループリント
の世界へようこそ
はじめに
- Jamin Hegeman
セクション1: 概要
サービスブループリント
の概要
サービスデザインとは?
10
12
13
14
17
サービスブループリントとは?
結論
サービスブループリント
の未来
セクション3: 導⼊
サービスブループリント
の使い⽅
セクション2: 作成
サービスブループリント
の作り⽅
最後に
- Patrick Quattlebaum
プロトタイプとしてのブループリント
40
42
44
46
ビジョンを⽀える
フロントステージVSバックステージ
20
22
27
30
構成要素
正確性のレベル
32
34
36
37
詳細化レベル(ズームレベル)を決める
サービスブループリントの進化
サービスブループリントを使う理由
現状と将来のブループリント
ブループリントからロードマップへ
サービスパターン
協働
サービスブループリントを作成する
要素をつなげる
情報を追加する
11. 10 サービスブループリント導⼊ガイド
サービスデザインとは?
サービスデザインとは、デザインの⼿法と技能を応⽤して、 プロダクト、コミュニ
ケーション、やり取り(たとえば、サービスタッチポイント)、 業務運⽤、組織構
造などの定義とオーケストレーションを⾏うものです。サービスデザインでは、カ
スタマーエクスペリエンスだけでなく、ビジネスエクスペリエンスにも⽬を配るこ
とが求められます。
サービスデザインは、多くの⼈が考えるユーザーエクスペリエンスデザイン
(UXD)とは異なるものです。サービスデザインは、顧客、スタッフ、ビジネスと
いった複数ユーザーの視点から提供価値とエクスペリエンスを検証します。その際、
チャネルやメディアはほとんど取り扱いません。サービスデザインは、提供するエ
クスペリエンスとそれを⽣み出すオペレーションやテクノロジーを連携させます。
サービスデザインは⼈間中⼼設計
の分野と多くのツールや⼿法が共
通しています。ただし、サービス
デザインが持つ複数ユーザーの視
点やアプローチは、サービスエク
スペリエンスの多⾯性に伴う複雑
性を管理するのに有効です。サー
ビスエクスペリエンスの多⾯性と
は、エクスペリエンスにかかわる
複数のデジタルタッチポイント、
チャネル、ビジネスサイロなどを
意味します。
そして、サービスデザインは新
しいものではないということも認
識しておくとよいでしょう。サー
ビスを提供する事業者は⻑年サー
ビスをデザインしてきているから
です。ただ、その取り組みにおい
ては、デザイナーや⼈間中⼼のア
プローチを常に取り⼊れていたわ
けではありません。
顧客
スタッフ
プロダクト
オペレーション
構造
カルチャー
サービスでの
やり取り
ス
タ
#
フ
の
エ
ク
ス
ペ
リ
エ
ン
ス
と
オ
ペ
レ
.
シ
0
ン
カ
ス
タ
マ
.
エ
ク
ス
ペ
リ
エ
ン
ス
サ
.
ビ
ス
デ
ザ
イ
ン
14. サービスブループリントの進化
サービスブループリントは新しいツールではありません。1984年の
Harvard Business Review に掲載されたLynn Shostack⽒の論⽂『Designing
Services That Deliver(提供するサービスのデザイン)』で初めて提唱
され、その後、進化を続けてきました。それまで、サービス提供は、
漠然とした⼀過性のものと⾒なされてきました。これを、⽂書化、測
定、管理し、組織的に改善できるものとして体系化する上で、同⽒の
⼿法が貢献しました。年⽉を経て、サービスブループリントは劇的に
進化しました。著名なリーダーやサービス改⾰者(Mary Jo Bitner⽒な
ど)の助けもあり、今⽇のブループリントは、サービス提供がどのよ
うに⾏われているかオペレーションの詳細を記録しながら、カスタ
マーエクスペリエンスをうまく表現しています。
ブループリントは、ほかのビジネ
スモデリング⼿法による細部には
まりこむことなく、サービスのオ
ペレーションの複雑性を記録しま
す。
そして、現在でも、サービスブ
ループリントは、より幅広いコン
テキストで頻繁に使⽤されること
で、視覚的にも構造的にも進化し
続けています。
今⽇、私たちが作成するサービスブループリント
は、視覚的、構造的には異なっていてもLynn
Shostack⽒が当時、「Exhibit I Blueprint for a
Corner Shoeshine(説明1 街⾓の靴磨きのブループ
リント)」で提唱したものと同じ要素を多く含ん
でいます。それは、時間、流れ、視認性の境界線
(the line of visibility)、⾏動、オペレーションの
コンポーネントです。
概要 13
16. サービスブループリントの価値
これらを視覚化
• (以前は)漠然としていたエ
クスペリエンス
• サービスコンポーネント、テ
クノロジー、オペレーション
間の連結点と依存関係
• サービス提供に必要な要素
• 現状のサービス提供の弱点と
機会
• エンドツーエンドのエクスペ
リエンスに潜む⽋陥やサービ
スの弱み
概要 15
これらを連携 これらのプロトタイプを作成
• サービスを構築し、提供する
際のクロスサイロの考え⽅を
提供することによる、複数の
視点
• より広いコンテキストで⾃分
の仕事を確認できる共有の
キャンバスを使⽤する複数の
協働する⼈たち
• 各チームが⼀度構築した要素
をどのようにつなげるかの理
解
• エクスペリエンスを検証する
ため、共通の顧客の流れとや
り取りを⾏うポイント
• タッチポイント間の連携の必
要性および連携の仕⽅
• エクスペリエンスの変⾰に必
要なオペレーションプロセス
の変更と影響
• 開発に投資する前のオペレー
ションの実現性
26. やり取りの境界線
サービスモーメント
顧客が直接やり取りできるものとで
きないものの間に境界線を引くこと
が役⽴つ場合があります。この線を
やり取りの境界線( Line of
Interaction )とよびます。
複雑なサービスでは、顧客と従業員
がたくさんのタッチポイントでやり
とりするため、どのツールがだれの
ためのものなのかを決めるのが難し
くなる可能性があります。やり取り
の境界線は違いを明確にし、ブルー
プリント上で区分を⽰してくれます。
縦の列は、サービスモーメントを表
しています。サービスエクスペリエ
ンスの特定のモーメントで起きる、
フロントステージ、バックステージ
両⽅のサービス活動すべてを含んで
います。視認性の境界線より上では
エクスペリエンスの後半まで何も動
いていないとしてもバックステージ
で動作が開始したタイミングでバッ
クステージの⼯程を記載することが
重要です。たとえば、顧客がレスト
ランに到着する前から接客係がテー
ブルの準備を始めていることなどで
す。
顧客が質
問してか
ら注⽂す
る
顧客が注
⽂したも
のを待つ
顧客が注
⽂したド
リンクを
受け取る
顧客がド
リンクを
楽しむ
顧客が注
⽂したも
のを待つ
顧客が注
⽂した前
菜を受け
取る
顧客が前
菜を楽し
む
ドリンクを受け取る 前菜を受け取る
顧客と接客
係との会話、
ドリンクメ
ニュー、⾷
事のメ
ニュー
顧客と接
客係の会
話
顧客と接
客係の会
話
接客係が
ドリンク
を提供す
る
接客係が
前菜を提
供する
接客係がメ
ニューに
関する質問
に答え、
注⽂を受け
る
接客係が
注⽂を
システム
に⼊⼒
バーテン
ダーがド
リンクを
⽤意
接客係が
バーから
ドリンク
を取る
接客係が
キッチン
から前菜
を取る
予約シス
テム、
ノート
パッド
シェフが前
菜を作り、
キッチンの
キューに注
⽂を⼊れる
作成 25
30. A cross-disciplinary
team works together
on a future-state
blueprint, looking for
potential hurdles
before
implementation
and documenting
service moments
with
outstanding
questions
regarding the
intended experience。
33. 32 サービスブループリント導⼊ガイド
正確性のレベル
「ブループリントの正確性
は、理解の正確性と⼀致し
ています。ビジネスに精通
している⼈たちと協働し、
適宜詳細を加えていってく
ださい。」
—Kendra L. Shimmell⽒
サービスブループリントに含める情報量を考慮に⼊れると、正確性のレベ
ルはどの程度必要かを検討することは重要です。これは、⾃分たちがデザ
インプロセスのどの段階にいるのかとチームのコミュニケーションニーズ
に応じて決まります。
ほかのデザインツールと同様、正確性が低い状態から始めて、⾏き詰ま
らないところまで進めるのがよいでしょう。精度を⾼めると、厳密になり
すぎ、更新が難しくなります。結果として、ブループリントを繰り返し利
⽤することができなくなります。ブループリントを作成するプロセスでは、
私たちは3つの正確性のレベルを使い分けています。3つにはそれぞれのメ
リットがあります(次ページの「正確性の3つのレベル」の図をご参照くだ
さい)。
Adobe InDesignのデータ結合機能を使えば、付箋や共同編集したスプレッ
ドシートの内容を、推敲したサービスブループリントに素早く移⾏できま
す。この⼿順については、 Adaptive Pathのブログをご確認ください。