第3回Matlantis User Conference_20230721_ENEOS 小野寺 拓 様
- 2. 自己紹介
1
Copyright © ENEOS Corporation All Rights Reserved.
小野寺 拓(おのでら たすく)
宮城県生まれ
専門: 分子動力学(応用系モデリング)、
トライボロジー、表面・界面科学
2008年4月~
2011年3月
東北大学大学院工学研究科応用化学専攻
博士(工学)の学位取得
当時の計算化学手法を総動員して、トライボロ
ジー応用、特にエンジン油添加剤を研究
2011年4月~
2021年1月
(株)日立製作所 日立研究所
材料イノベーションセンター
実験と分子シミュレーション両輪で、半導体や、
自動車部品、産業機器向けの材料開発に従事
2021年2月~
ENEOS(株)
中央技術研究所 デジタル研究所
製品開発への分子シミュレーション・MI応用の
経験生かし、各種材料開発に従事・とりまとめ
略 歴
- 3. ENEOSの研究開発
2
Copyright © ENEOS Corporation All Rights Reserved.
過去の知見、既存インフラ、商流を活用した「カーボンニュートラル」と
従来のENEOSとは違う新たな勝ちパターンで挑む「デジタル」に注力して、研究開発を推進
化学品・誘導品
製造プロセス・
触媒
石油精製
ケミカル 潤滑油 機能材
潤滑油・グリース
EV向けグリース
冷凍機油
高機能モノマー
高機能樹脂
エラストマー
製油所触媒
製油所保全
燃料処方
オープンイノベーション
スタートアップ探索 IPランドスケープ
使用済タイヤ・プラ
化学品/燃料化
カーボンニュートラル
マテリアルズインフォマティクス(MI) シリコンバレー活用
CO2フリー水素
合成燃料
バイオ燃料
エネルギーマネジメント
分子シミュレーション
デジタルツイン
/プラント自動運転
デジタル
データ・画像解析
流動解析
- 4. ところで、トライボロジーとは?
3
Copyright © ENEOS Corporation All Rights Reserved.
✓ 潤滑、摩擦、摩耗、焼付き、軸受設計を含めた「相対運動しながら互いに影響を及ぼし
あう二つの表面の間におこるすべての現象を対象とする科学と技術」
✓ この領域に従事する研究者・技術者:「トライボロジスト」
【引用】 トライボロジー学会、https://www.tribology.jp/outline/shokai.html
- 5. 報告内容
4
Copyright © ENEOS Corporation All Rights Reserved.
1. 潤滑油の研究開発における課題感
2. 分子シミュレーションの悩みとMatlantisの登場
3. 潤滑油の「ナゼ?」をMatlantisで解き明かす
4. Matlantisの速さに「感謝!」 ~データ生成とバーチャルスクリーニング~
5. おわりに
- 6. 報告内容
5
Copyright © ENEOS Corporation All Rights Reserved.
1. 潤滑油の研究開発における課題感
2. 分子シミュレーションの悩みとMatlantisの登場
3. 潤滑油の「ナゼ?」をMatlantisで解き明かす
4. Matlantisの速さに「感謝!」 ~データ生成とバーチャルスクリーニング~
5. おわりに
- 7. 1.1 潤滑油の構成
6
Copyright © ENEOS Corporation All Rights Reserved.
【出典】 https://www.eneos.co.jp/english/
◆ 自動車:エンジン油、ギア油など
◆ 家電:冷蔵庫、エアコンの圧縮機向け油
◆ 工場:変圧器、ガス圧縮機、油圧機器向け油
基油
添加剤
1-2割
(例)エンジン油
役割:潤滑、冷却、密封、洗浄、防錆
添加剤は数種類同時に配合、機能発現の源泉
- 8. 1.4 トライボロジストが感じている疑問・悩み
7
Copyright © ENEOS Corporation All Rights Reserved.
固体A
固体B
潤滑油
摩擦
摩耗
・基油
・添加剤(種類、濃度、組合せ)
実験パラメータ ・基材、強化材、表面処理
・荷重、速度、形態、摩擦時間
・温度、湿度、雰囲気ガス etc…
見えないトライボ現象への疑問
実験の効率や材料探索の悩み
• 吸着膜の姿(構造・物性)
• トライボケミカル反応のメカニズム
と性能支配の具合い
• 現象と摩擦・摩耗との相関
• 高額な装置やサンプルが必要
• 試したい組合せが膨大、試験に
時間を要する
• いつもの材料系から脱せない、
特異な組合せの発見が困難
- 9. 1.5 デジタル技術で開発サポートしたい
8
Copyright © ENEOS Corporation All Rights Reserved.
【出典】
https://www.eneos.co.jp/company
/rd/intro/function/synthesis.html
高摺動ポリマ
【出典】 https://www.nmm.jx-
group.co.jp/products/metallic_powder/tanb/
潤滑剤 バルク(基材・プロセス) 表面(研磨・コーティング)
分子シミュレーション・MI技術の活用
現象解明+材料スクリーニング
金属・合金素材
製品性能・ニーズ
省エネ・長寿命・耐劣化・メンテレス・低コスト・電動化対応など
低摩擦・耐摩耗・酸化防止 高摺動・高強度・耐食 高密着・耐摩耗・平坦性
【出典】 http://jx-plating.com/tech_APSRM.html
Engine oil
0W-20
グリース
【出典】
https://www.eneos.co.jp/company/rd/intro/
lubricants/eco.html
潤滑油
- 10. 報告内容
9
Copyright © ENEOS Corporation All Rights Reserved.
1. 潤滑油の研究開発における課題感
2. 分子シミュレーションの悩みとMatlantisの登場
3. 潤滑油の「ナゼ?」をMatlantisで解き明かす
4. Matlantisの速さに「感謝!」 ~データ生成とバーチャルスクリーニング~
5. おわりに
- 11. 2.2 これまでの悩み
10
Copyright © ENEOS Corporation All Rights Reserved.
第一原理MD
✓ 計算に時間がかかる。
✓ 計算失敗によるリスクが大きい(プロジェクト遅延等)。
✓ 数百程度の小さなモデルサイズにせざるを得ない。
✓ 現象の観察時間を短くせざるを得ない。
古典MD
✓ 適切な力場パラメータが無い、使いたいときに使えない。
✓ パラメータ決定または調整に時間がかかる。
✓ パラメータのアサインがめんどくさい。自動化する時間もない。
✓ 化学反応ダイナミクスを見ることができない。
✓ 反応力場に対応しない元素、組合せ。
※もちろん、それぞれポジティブな点もたくさんあるが、ネガティブに感じた点のみ記載。
- 12. 2.3 Matlantisが研究にもたらした効果
11
Copyright © ENEOS Corporation All Rights Reserved.
※すべての図はhttps://matlantis.com/ja/から引用。
汎用性 高 速 使いやすさ
✓ 力場アサインから解放。元素
情報のみ。
✓ 化学反応の有無に囚われない。
✓ 金属錯体構造をもった添加剤
も容易に計算できる。
✓ 第一原理MDに比べて超高速。
✓ 計算失敗しても影響無し。
✓ 速すぎて、計算中に論文を書く
等できなくなった(新たな悩
み)。仕事のやり方が変化。
✓ 従来は主にUI。モデル準備~
計算~ポスト解析を一貫して
実行できる環境は、実は便利。
✓ モデリング工夫点等の痕跡を
一目瞭然で残すことができる。
- 13. 報告内容
12
Copyright © ENEOS Corporation All Rights Reserved.
1. 潤滑油の研究開発における課題感
2. 分子シミュレーションの悩みとMatlantisの登場
3. 潤滑油の「ナゼ?」をMatlantisで解き明かす
4. Matlantisの速さに「感謝!」 ~データ生成とバーチャルスクリーニング~
5. おわりに
- 14. 3.1 金属加工のお話
13
Copyright © ENEOS Corporation All Rights Reserved.
機械や金型を用いて
金属などの材料に
塑性変形を与える加工法
塑性加工
(絞り加工の例)
工具と被削材に激しい摩擦が発生 ⇒ 潤滑油を用いる。油に配合した添加剤が摩擦を抑制
円形の板材
product
High friction
Die Die
Sheet metal
カップ
punch
- 15. 3.2 実験的にわかっていたこと
14
Copyright © ENEOS Corporation All Rights Reserved.
潤滑油を構成する基油の種類によって、加工しやすさが大きく異なる
基油
添加剤
実験結果の考察から、漠然とした仮説があった・・・
基油の分子構造が添加剤の挙動に影響を与えているのでは?
Matlantisで現象解明
これ 「溶媒」とも言える
- 16. 3.3 現象解明のためのモデリング
15
Copyright © ENEOS Corporation All Rights Reserved.
実験結果:基油の種類によって加工しやすさが変化
⇒ 分子構造の異なる2種の基油中における添加剤の拡散・吸着ダイナミクスを追跡
金属
金属
面 圧
金属
金属
面 圧
イソパラフィン×80
+
添加剤
ドデカノール×1
+
添加剤
ドデカノール×1
n-パラフィン×80
基油
加工しやすい
潤滑油
基油
加工しにくい
潤滑油
基油層 基油層
添加剤
添加剤
- 17. 3.4 シミュレーションの条件
16
Copyright © ENEOS Corporation All Rights Reserved.
✓ 方法: 分子動力学(MD)法
✓ 力場: PFP v1.0 ※2021年に実施
✓ 温度: 333 K(60℃)
✓ 時間刻み: 1 fs
✓ ステップ数: ~5×106
✓ 面圧: 0.5 GPa
✓ 性能指標: 加工しやすさ≒摩擦低下
添加剤の吸着時間を解析
Al(111)
Al(111)
5
nm
Pressure
Base oil Oiliness
additive
添加剤
摩擦を下げる
「主役」
- 18. 3.5 加工しやすさが異なるメカニズム
17
Copyright © ENEOS Corporation All Rights Reserved.
金属
金属
面 圧
金属
金属
面 圧
イソパラフィン×80
+
添加剤
ドデカノール×1
+
添加剤
ドデカノール×1
n-パラフィン×80
基油
加工しやすい油
素早く吸着
加工しにくい油
吸着しにくい
基油
【引用】 小野寺、トライボロジスト、67 (2022) 821/山岸ほか、トライボロジー会議2022春・東京、D25/柴田ほか、トライボロジー会議2022秋・福井、A23
アルミ
基油
疎な油膜
添加剤
アルミ
基油
密な油膜
(バリア層)
添加剤
密度分布/配向状態/拡散係数などを詳細解析の結果・・・
基油から形成される油膜の疎密が、添加剤の吸着(≒効き)を支配
【先行研究と傾向一致】 M. Konishi, H. Washizu, Tribol. Int., 149 (2020) 105568.
- 19. 3.6 電車の混雑で例えると・・・
18
Copyright © ENEOS Corporation All Rights Reserved.
疲れたのでグリーン車で帰宅したい。しかし、普通車に乗り込んでしまった! グリーン車まで移動したい。
あなた
(添加剤)
乗客
(基油)
グリーン車
(金属表面)
疎な油膜 ⇔ 空いている普通車 密な油膜 ⇔ 混み合った普通車
あなた
(添加剤)
乗客
(基油)
グリーン車
(金属表面)
スムーズに移動できた!
あきらめて、次の駅で乗客が
降りてから移動するか・・・
- 20. 報告内容
19
Copyright © ENEOS Corporation All Rights Reserved.
1. 潤滑油の研究開発における課題感
2. 分子シミュレーションの悩みとMatlantisの登場
3. 潤滑油の「ナゼ?」をMatlantisで解き明かす
4. Matlantisの速さに「感謝!」 ~データ生成とバーチャルスクリーニング~
5. おわりに
- 21. 4.1 もっと加工しやすい潤滑油はないか?
20
Copyright © ENEOS Corporation All Rights Reserved.
Matlantisによる現象解明の結果・・・
加工しやすくする(摩擦を下げる)ためには、
添加剤の吸着を妨げない、疎な油膜をつくる基油を用いるべし
これは立派な「設計指針」になる!
Matlantisの速さを活かして油膜疎密のデータ生成
機械学習によるスクリーニングを検討
- 22. 4.2 基油のバーチャルスクリーニング法
21
Copyright © ENEOS Corporation All Rights Reserved.
取り扱いが簡単な単分子の構造記述子から、油膜の疎密を予測する
単分子の構造を大量取得
MD計算により
液体構造を生成
油膜の疎密を表現する
特徴量を抽出 (Y)
単分子構造に特有の
記述子を計算 (X)
油膜疎密の予測モデル
Y = f (X)
機械学習
教師
データ
①
②
③
※あくまでイメージ(本来は多次元空間で表現)
単分子の構造
油膜の疎密
【選定指針】
油性剤の吸着を妨げない
疎な油膜をつくる基油
現行油
候補油
実験提案
④
- 23. フローチャート
22
Copyright © ENEOS Corporation All Rights Reserved.
単分子の構造を大量取得
MD計算により
液体構造を生成
油膜の疎密を表現する
特徴量を抽出 (Y)
単分子構造に特有の
記述子を計算 (X)
油膜疎密の予測モデル
Y = f (X)
機械学習
教師
データ
①
②
③
基油スクリーニング
実験提案
④
- 24. 4.3 分子構造の取得と記述子の計算
23
Copyright © ENEOS Corporation All Rights Reserved.
オープンデータベースPubChem
【引用】 https://pubchem.ncbi.nlm.nih.gov/
単分子の構造取得
SMILESによる文字列表記
C6化合物の例
・ヘキサン:CCCCCC
・シクロヘキサン:C1CCCCC1
・ベンゼン:C1=CC=CC=C1
API
情報化学ライブラリRDKit
【引用】 https://www.rdkit.org/
単分子の
記述子を計算
分岐数、サイズ、電荷、
溶解度など208個
本報では、
C8、C10、C12、C16化合物
全1953個
を教師データとした。
- 25. フローチャート
24
Copyright © ENEOS Corporation All Rights Reserved.
単分子の構造を大量取得
MD計算により
液体構造を生成
油膜の疎密を表現する
特徴量を抽出 (Y)
単分子構造に特有の
記述子を計算 (X)
油膜疎密の予測モデル
Y = f (X)
機械学習
教師
データ
①
②
③
基油スクリーニング
実験提案
④
- 26. 4.4 油膜構造の特徴量化
25
Copyright © ENEOS Corporation All Rights Reserved.
接触界面の油膜を模擬した油膜構造を生成し、RDF形状から疎密を特徴量化
単分子構造 高圧液体構造
セル中に
20分子配置
力場:PFP v2.0
温度:333.15 K
圧力:0.5 GPa
時間刻み:2 fs(重水素置換)
圧力
圧力
圧力
圧力
構造最適化
MD計算
特徴量抽出
<アイディア>
油膜の疎密 ⇔ 分子間の間隙 ⇔ RDF傾き・中点
※ただし、分子内結合は無視する
距離
動径分布関数(RDF)
𝑔𝐴−𝐵 𝑟 =
𝑁𝐴−𝐵
4𝜋𝑟2 ∙ Δ𝑟 ∙ 𝜌𝐵
傾き・中点:疎密によって異なる特徴量
傾き
中点
※2022年初頭に実施
- 27. 4.4 油膜構造の特徴量化
26
Copyright © ENEOS Corporation All Rights Reserved.
RDFの傾きや中点は、吸着難易を説明する油膜の疎密に対応する特徴量と確認
基油 分子構造
加工しやすさ
(実験)
添加剤が金属表面へ
到達した時間
(MD)
RDF特徴量/中点
(MD)
イソパラフィン 分岐鎖 〇 0.4 ns 3.5Å
ナフテン 環状 △ 2.7 ns 3.4Å
ノルマルパラフィン 直鎖 × 3.6 ns 3.3Å
添加剤の挙動とRDF特徴量とは相関する
到達時間短い ⇔ 特徴量大きい
到達時間長い ⇔ 特徴量小さい
Additive
Adsorbing
on surface
- 28. フローチャート
27
Copyright © ENEOS Corporation All Rights Reserved.
単分子の構造を大量取得
MD計算により
液体構造を生成
油膜の疎密を表現する
特徴量を抽出 (Y)
単分子構造に特有の
記述子を計算 (X)
油膜疎密の予測モデル
Y = f (X)
機械学習
教師
データ
①
②
③
基油スクリーニング
実験提案
④
- 29. 4.5 機械学習モデルの構築
28
Copyright © ENEOS Corporation All Rights Reserved.
✓ 勾配ブースティング回帰(最も汎化性良好)
✓ クロスバリデーション
✓ Optunaによるハイパーパラメータチューニング
検証データの;
✓ 決定係数:0.94
✓ 二乗平均平方根誤差RMSE:0.034
(予測誤差:約1%)
予測精度・汎化性の高い機械学習モデルを構築。油膜の疎密を瞬時に予測可能に
MDで計算したRDF中点
機械学習モデルで予測したRDF中点
●訓練データ
●検証データ(訓練には未使用)
T. Akiba et al., Optuna: A Next-generation Hyperparameter
Optimization Framework (2019) KDD.
T. Chen et al., XGBoost: A Scalable Tree Boosting System (2016) KDD
- 30. フローチャート
29
Copyright © ENEOS Corporation All Rights Reserved.
単分子の構造を大量取得
MD計算により
液体構造を生成
油膜の疎密を表現する
特徴量を抽出 (Y)
単分子構造に特有の
記述子を計算 (X)
油膜疎密の予測モデル
Y = f (X)
機械学習
教師
データ
①
②
③
基油スクリーニング
実験提案
④
- 31. 4.6 大量化合物のマッピングと高速スクリーニング
30
Copyright © ENEOS Corporation All Rights Reserved.
特徴量(RDF中点)
特徴量(RDF傾き逆数)
●訓練データ
●予測データ
入手可能な化合物
イソパラフィン
基準油
★
有望な化合物群
>10,000個
高圧場での油膜の疎密を予測し、候補物質を抽出
構築した機械学習モデルを用いて、
RDF特徴量(傾き・中点)を予測
✓ C8~C18の炭化水素26,159個
✓ 直鎖アルカン、分岐アルカン、シクロアルカン、
芳香族を含む(アルケン等は除外)
10,000個以上の候補化合物を発見!
密 疎
密
疎
- 32. 4.7 加工しやすい基油の提案
31
Copyright © ENEOS Corporation All Rights Reserved.
実際に入手可能な化合物を3つ提案。当社内にて、実験実証フェーズに突入!
特徴量(RDF中点)
特徴量(RDF傾き逆数)
●教師データ
●予測データ
入手可能な化合物
イソパラフィン
基準油
★
有望な化合物群
>10,000個
密 疎
密
疎
RDF
特徴量
加工油の基油候補
基準油
A B C
中点 3.74 3.70 3.68 3.50
傾き
逆数
0.99 0.94 0.96 0.90
入手可能
化合物群のうち、入手可能な化合物
基油として用いれば、
金属加工を容易にできる可能性
(疎な油膜を形成、添加剤吸着を妨害せず)
- 33. 報告内容
32
Copyright © ENEOS Corporation All Rights Reserved.
1. 潤滑油の研究開発における課題感
2. 分子シミュレーションの悩みとMatlantisの登場
3. 潤滑油の「ナゼ?」をMatlantisで解き明かす
4. Matlantisの速さに「感謝!」 ~データ生成とバーチャルスクリーニング~
5. おわりに
- 34. 5.1 サマリー
33
Copyright © ENEOS Corporation All Rights Reserved.
✓ Matlantisを用いた現象解明とそれに基づくMIを展開
✓ 今回、金属加工向け潤滑油を対象に、基油の選定に資するMIを報告
✓ 加工しやすい基油の選定指針は、疎な油膜をつくって、添加剤吸着を妨害しないこと
✓ Matlantisでつくった高圧液体構造から得たRDFを特徴量とするMIを提案
✓ 分子構造とRDF特徴量を結びつける機械学習モデルを構築
✓ 2.6万化合物をスクリーニングし、加工しやすい3つの基油を実験屋へ提案