20231209ゼミ研究会紹介資料
•
0 likes•78 views
12月9日に行った研究会のコメント用資料 解説 http://blog.livedoor.jp/kazu_kitamura_jp/archives/23243486.html
Recommended
More Related Content
Similar to 20231209ゼミ研究会紹介資料
Similar to 20231209ゼミ研究会紹介資料 (20)
More from KazuhitoKitamura
More from KazuhitoKitamura (20)
20231209ゼミ研究会紹介資料
- 2. OPEN INNOVATION 10分間でお伝えしたいこと ⚫ 自己紹介 ⚫ レポートへのコメント ⚫ 自治体や地方の企業とオープンイノベーション • 現場や実務から見たオープンイノベーションの影 • 必要なのは危機感、泥臭さ、陳腐化させない仕掛けなど • つまるところは外部との関係で自らを相対化し、作り替えること
- 3. 自己紹介 3
- 4. About Me 佐賀県産業労働部 産業DX・スタートアップ総括監 デジタルやスタートアップを通じて モヤモヤをワクワクに変える機会を提供しています 東京や福岡のような都会よりも むしろ佐賀のような田舎にこそチャンスがあります Facebook blog e-books Facebook Startup Gateway Boost SISC Samurai Ninja SlideShare 個人で… 仕事で… Data 4
- 5. なぜ、いかに、佐賀で？ デジタルを佐賀のビジネスの常識に 佐賀から世界を目指せる起業環境を 1. 全 国 初 の DX 推 進 ハ ブ を 核 と し た 個別相談やマッチング支援 2. プログラミング及びノーコードの各々 で毎年100名のDX人材育成 3. 年間1,000社の企業訪問・啓発と 20社の伴走支援などのアウトリーチ 1. フェーズに応じたその道のプロによる 5本＋αの個別指導プログラム 2. 民間資金の調達を意識した調達支援 スキーム（安易に補助等しない） 3. 県職員や事業受託者とのダイレクト＆ リアルタイムなコミュニケーション 5
- 6. 参考 全国初のDX推進ハブを核とした産業DXの推進 6 継続的な 学びや刺激 ビジネス 人材 DX人材 拡大推進事業 ITでビジネスの 変革・創出に挑む企業 相談助言 マッチング 1000社目標に訪問・普及啓発 DXコミュニケータ 20社対象に数ヶ月単位の伴走支援 DXアクセラレータ エンジニアの創業・副業を支援 Smart Terakoya エンジニアの交流・研鑽を促進 Smart Community オープンイノベーションのハブ 産業スマート化センター 産業DX 啓発推進事業 AI等の開発人材を育てる講座 Smart Samurai 社内DXリーダーを育てる講座 Smart Ninja Point ① Point ② Point ③ スマート化センターは2018年開設、同種施設は全国初、未だ視察等多数 毎年200名（Samurai・Ninja各100名）規模での人材育成は自治体では希少 この数年で、ハブ施設開設→人材育成講座→企業訪問・伴走支援と矢継ぎ早に展開 2018～ 2023～ 2022～ 2022～ 2022～ 2021～ 2020～
- 7. 参考 個別指導を軸とした唯一無二のスタートアップ支援 7 ビジネス創出個別指導 Startup Gateway ビジネスマッチング個別指導 Startup Connect コンテスト さがラボチャレンジカップ スタートアップ コンシェルジュの配置 資金調達個別指導 Startup Boost 佐賀県版マ●ーの虎 Startup Launch補助 チーム形成など個別指導 Startup Assign ふるさと納税を活用した 起業家の資金調達支援 協定によるVC投資や融資 クラウドファンディング支援 プロモーション個別指導 Startup Promote 聖 資 ビ 聖 聖 聖 聖 資 ビ ビ 新ビジネスで 世界をねらう起業家 優れたシードを継続的に輩出しうる 仕組みや仕掛けを設けて「聖地」へ 掘り起こし 育成 資金調達 事業拡大 成果発信イベント INNOVATORS TALK LIVE ビ …ビジネス確立支援事業 聖 …Startupの聖地SAGA事業 資 …資金調達支援事業 Point ① Point ② Point ③ 起業家等のフェーズや課題に応じた５本＋αの個別指導でじっくり育てる 安易に補助等するのではなく、先々の民間資金の調達を意識した機会を提供 起業家と県職員や事業受託者とのダイレクト＆リアルタイムなコミュニケーション 2023～ 2018～ 2021～ 2020～ 2019～ 2016～ 2015～ 2021～ 2023～ 2023～ 2021～ 無期限・継続・熱血・個別指導 エビチャレSpecial
- 8. その結果、今、佐賀で起こっていること… 相次ぐ県外でのアワード受賞 わずか数年でイベント参加者が激増 県外自治体による視察受入れ多数 Webメディア等へのインタビュー掲載 九州ニュービジネス大賞 佐賀県勢が席巻 株式会社鈴花が 日本DX大賞受賞 2019年の起業イベント 7月の起業家交流会 この間、4年 2023. 4 三重県庁 2023. 5 宮城県議会 2023. 7 半田市議会 2023. 7 福島県議会 2023. 8 埼玉県庁 2023. 8 横浜市議会 2023.10 堺市議会 2023.10 愛媛県庁 2023.11 松山市副市長 2021. 8 マイナビTech＋ 2022. 1 リクルートワークス 2022. 4 So-gud 2022. 5 県採用サイト 2022. 9 Draw Our MIRAIZ 2023. 5 いろいろTV 2023. 6 自治体通信 2023. 7 ASCII.jp 2023. 8 Forbes Japan 8
- 9. その結果、今、佐賀で起こっていること… 相次ぐ県外でのアワード受賞 わずか数年でイベント参加者が激増 県外自治体による佐賀県詣で（？） Webメディア等へのインタビュー掲載 九州ニュービジネス大賞 佐賀県勢が席巻 株式会社鈴花が 日本DX大賞受賞 2019年の起業イベント 7月の起業家交流会 この間、4年 2022.10 行橋市など3市 2022.11 沖縄県庁 2023. 2 島根県庁 2023. 4 三重県庁 2023. 5 宮城県議会 2023. 7 半田市議会 2023. 7 福島県議会 2023. 8 埼玉県庁 2023. 8 横浜市議会 2021. 8 マイナビTech＋ 2022. 1 リクルートワークス 2022. 4 So-gud 2022. 5 県採用サイト 2022. 9 Draw Our MIRAIZ 2023. 5 いろいろTV 2023. 6 自治体通信 2023. 7 ASCII.jp 2023. 8 Forbes Japan 人も企業も多くはないけど実は多様性がある 課 題 も 現 場 も デ ー タ も て ん こ 盛 り 旗を掲げるといろんな人が関わってくれる 遅れてる？いやいやその分、しがらみもない！ 「 地 方 予 選 」 が 圧 倒 的 に 楽 ！ 「会いたい！」と思う人に案外、すぐ会える 問 題 に じ っ く り 向 き 合 え る 難 し い 分 、 そ こ で 成 功 す れ ば 無 敵 じ ゃ ね ？ あなたのモヤモヤを、 みんなのワクワクに。 最初は躊躇してたけど、一歩、踏み出したら周りがついてきた… 都会の方が人や企業が多く、多様性に富み、イノベーションの 苗床になり得るというのは「思い込み」に過ぎないのでは？ 9
- 10. レポートへのコメント 10
- 11. OPEN INNOVATION レポートへのコメント 11 【3つの観点（p.12～19）について】 ⚫ 「外注マインド」でオープンイノベーションが矮小化されているとの認識は首肯 ⚫ 収益化への課題は同感だが、それは（継続条件ではあっても）阻害要因だろうか ⚫ 「垣根を超える」ことを妨げるものって非合理性ではなく、合理性（局所最適）かも 【３つの方向性と６つの対応（p.20～39）について】 ⚫ 「内的対応」においては、企業内の態勢や（収益化への）能力も大事だろうけど、 まずは考え方や風土を変えていく仕組みや仕掛けもまた、大事では ⚫ 「外的対応」においては、技術マーケティング能力のみならず、ステークホルダー からの信頼獲得やそれらとの共通理解の形成なども大事では ⚫ 「外部環境」においては、枠組み・仕組みや場・機会なども大事だが、それ以上に それらを陳腐化させないための仕掛けや工夫が大事では 実務に足場を置く身としては、本質はもっとウェットなところにある気がして…
- 13. OPEN INNOVATION コメントの背景① 13 ⚫ 政策形成の現場では、“外注マインド”に矮小化されがちな力学も… ⚫ OIを大義名分に“テンプレ営業”をかけてくる在京企業なども… ⇒ もちろん、そこに「東京の人！」って無批判に乗っかっちゃう自治体職員も… ⚫ ツールやハコ、仕組みで満足しちゃってモノになってない例もしばしば • オープンイノベーションプラットフォーム○○（Webサービスなど） • ○○フューチャーセンター、△△共創Hub、◇◇Lab. etc. ⚫ 立場や力の非対称性が時として不幸な結果を生むことも • いわゆる「実証事業疲れ」 • 知財の「強奪」問題や資本政策への制約 とはいえ「垣根を超える」「周囲と違ったことをする」って ホントはめんどくさく、居心地悪いもの（ではないですか？） であれば、「それを乗り越えるだけの他の何か」がないと難しい…
- 14. 硬直化した 採用や組織・人事 単なるリソース確保への矮小化 14 行政需要の 高度化・複雑化 継続性・安定性重視 ⇒前例踏襲 専門的な外部の 企業や人材の活用 事務事業の 執行体制の確保 固定観念の打破 革新的な風土の形成 マンパワーなど の調達 仕事の 質の向上 組織や風土の 改革 （アウトソース） （アウトソース、協業） （関係性一般） 切実なのはこっち 重要なのはこっち Phase.１） Phase.2） Phase.3）
- 15. しばしば見かけるテンプレ営業 15 ここ数年 地方創生の名の下 財政移転が再拡大 都市部の大手等が ⚫ 省庁にアイディアを売る ⚫ 省庁がアイディアを求める 自治体には 宛先だけ変えた テンプレの「ご提案」 ・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・・・・・栃木県では実 は・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・・ こういうのって… ⚫ 教科書や成功例の横展開なんで、地域差おかまい なしでうまくいきません ⚫ 結果にはコミットしませんし、結果如何を問わず都会 の単価でフィーはもらっていきます （そういう都会の企業の「生産性」にいつも疑問符） こんな誤植も日常茶飯事 まるで地方はそーせいと言わんばかり・・・
- 19. 参考 視点③：デジタルと地方、三つの視点 民主化・ コモディティ化 リープフロッグ データ資本主義 格差を生み出すのは単に ⚫ 知っているかどうか ⚫ 行動したかどうか ⚫ 積み上げる必要はない ⚫ 最先端の安くて便利な ツールをまずは入口に ⚫ 手間なく取得する ⚫ 何であれまずは溜める ⚫ 何かあれば試してみる SaaS No-Code Cloud Subscription Freemium あんなツールが 月数千円で 開発も簡単 自分でできる なまじきちっとした ものがあると かえって足かせに… むしろ 何もない方が しがらみもない イマドキのAI＝ パターン認識技術の 価値の源泉はデータ 多種多様なデータ があるのは現場 実は地方って、 案外、捨てたものじゃないのかも？ 19
- 20. OPEN INNOVATION コメントの背景② 20 ⚫ 変わる側の共通項の一つは「危機感」（これはよく言われること） ⚫ 変える側の共通項の一つは「泥臭さ」（理解や共感を得るカギ） ⚫ 枠組みは作った傍から陳腐化…「緊張感やリフレッシュ」も必須 Case ①）明治創業の老舗呉服店。和服市場の縮小の一方、高齢社員の退社による顧客 情報や販売ノウハウの喪失に危機感を抱き、外部の支援も得てCRM／SFAを整備・活 用するとともにコンタクトポイント多様化のためにアプリ導入。日本DX大賞受賞。 Case ②）従業員十数名の中小建設業。人手不足の中、子育てや家庭の事情による事務 職員の育休・退職・転居に危機感を抱き、コンサルの下、紙帳票を全てデジタル化、 SaaSをフル活用。結果、「毎日9時5時の仕事」が「一日30分の在宅ワーク」に。 Case ③）オーガニックコスメの産業化に取り組む女性起業家。自然と共生する島の経済 再生を目指し、島民と協働で原料供給やPB開発。もちろん、最初からすんなり取り組めたわ けじゃなく自治会への参加等から。WIREDのRegenerative Company等受賞歴多数。 Case ④）校納金収納の自動化サービスを提供する学生起業家。画像認識による防犯シ ステムの提案・商談で訪れた学校での事務作業を目にし、現場に入り込んでサービスを 開発。クラウドサービスとして展開、5年を経て導入校が徐々に増加、地元地銀も注目。 Case ⑤）産業スマート化センター Case ⑥）当グループの受託者マネジメント ムービー インタビュー インタビュー ピッチ動画
- 22. 受託者マネジメント①：11本を21社が受託 22 産業DX・スタートアップ推進グループ 総括監 産業DX担当 副課長１、係長１、担当２ スタートアップ担当 副課長１、係長１、担当３ 産業イノベーションセンター スタートアップコンシェルジュ Startup Gateway（デロイトトーマツ） Startup Boost（NESベンチャーキャピタル） Startup Connect（毎日みらい創造ラボ） Startup Promote（Takto） Startup Assign（ビザスク） 産業スマート化センター （EWM・佐賀銀行・佐賀電算センターのJV） DXコミュニケータ （1区：ソアー、2区：フォーバル、3区：NTT） DXアクセラレータ （ナビゲート：十八親和銀行） （ハンズオン：福博印刷、Bottok・佐賀IDC、NTT、 フォーバル、ビザスク、ロボフィス） Smart Samurai（佐賀電算センター） Smart Ninja（佐賀広告センター・ワクフリ） Smart Terakoya（トレジャーフット） 補助 委託 委託 産業DX スタート アップ デジタル利活用にチャレンジする企業 佐賀から世界を目指す起業家 支援 支援 受託者を 介しない ダイレクトな チャネルも 構築 あえて受託者を各々、分けることで ・餅は餅屋の専門性を最大限活用 ・ダイレクトな関係＝スピード感 ・共創とともに相互の競争も喚起 （受託者に足元を見させない）
- 23. 受託者マネジメント②：緊張感を保つ仕掛け 23 県 受託者 受託者 受託者 受託者 支援対象の企業や起業家 受託者をバイパスする ダイレクトなチャネルを 設けることで 受託者に緊張感を 持たせる 類似事業等を分割 受託者も分けることで 専門性の発揮と同時に 競争意識も喚起 ⚫ 起業家向け個別指導…5本 ⚫ DX人材育成…2本 ⚫ DX企業訪問…3地区 ⚫ DX伴走支援…6受託者
- 24. 参考 私達自身もまた、自らを「作り替える」ために… 24 ■ 対象とチャネル ＜スタートアップ＞ ⚫ 個別指導プログラム受託5社 Messenger ⚫ プログラム採択起業家20～30社 Messenger、Slack ＜DX＞ ⚫ DX関係事業受託15社 Slack ⚫ 一部のDX関係支援対象企業 Slack、Chatwork ■ 頻度など ⚫ CRM記録分で週当たり15～30件 ⚫ うち、3割程度は夜間or休日 ■ 例えば… ⚫ 普通の部署では2週間はかかる外部との広報物のやりとりに ついて、チャットで１～2日でカタがつく ⚫ ある起業家の相談案件をもとに新たな個別指導プログラムを 企画立案、予算を流用して年度途中から試験着手 ⚫ 起業家相互間などでトラブルになりそうな案件をいち早く察 知、交通整理のうえ、未然防止
- 26. OPEN INNOVATION 最後に余談 26 ⚫ 先人のことわざや名言の類で、経済の本質をよく表したものは多い • 風が吹けば桶屋が儲かる：言うまでもなく産業連関 • 情けは人の為ならず：マクロ経済を俯瞰すると「誰かの資産は誰かの負債」で あり、富者や勝者と貧者や敗者は表裏一体・光と影なわけで… ⚫ イノベーションやオープンイノベーションを考えるに当たって… カネのあるところにカネは集まる （べき乗則や正のフィードバック効果⇒不均衡で多様な世界 をよく表した言葉） 空っぽのポケットほど人生を冒険的にするものはない （p.40の「制度的アントレプレナー」なんてのも案外、そんなことが大事かも… 既に満たされていればゲームチェンジャーやルールメイカーになる動機はないでしょうから） この相克とか緊張関係って、結構、大事な気がします